清水三徳氏(元城北小学校校長)の釣り人生を振り返ります
第14話 《石鯛釣りについて−1》
 磯釣りの中でも豪快さでは石鯛釣りが一番である。グレやチヌ釣りのような上物釣りとはまた違った趣もあり、一度経験すると麻薬のように虜になってしまう釣りである。まずは、この釣りのタックルについてまとめてみた。
【竿について】
 竿は食い込みの良さが第一である。次いで、釣り師の体力と釣法が竿を選ぶ目安になってくる。この釣りを始めた頃は、取り込みを優先させる剛竿を振り回していたが、次第に微妙な当たりが竿先に出て、魚に異常感を与えないような竿、軟調子でしかも丈夫な竿に変わっていった。他の釣りと同じように石ダイ竿にも並継竿と振り出し竿がある。初めは並継竿を愛用していたが、振出竿でもあまり変わりがないことから振出竿に変えた。並継竿の場合は置き竿にし、振り出竿の時は手持竿にする人が多いようだが、私は振り出し竿で使い分けている。手持ちにした釣りはどうしても「攻め」の釣りを中心とした宙釣りになるから、が竿は短く軽いものが好まれる。私はこれに加えて、自分一人で大物がきても竿を起こして魚を浮かせて取り込めるような竿を選びたいと思っている。
【リ−ルについて】
 石鯛釣りは、竿とリールで勝負が決まると言っても過言ではない。それだけにリールがタックル全体に占める重要性を考えると竿と共に大事になってくる。竿にしてもそうだが、釣り師の個性が最も表れるのがリ−ルの選択である。上物と違い基本は両軸リール(通常タイコリ−ルとも呼ばれる)が基本だが、各社が?を付けるような個性的な物から小型軽量のものまで様々にある。個人的には外国製がシンプルで使いやすいと感じているため、「アブ」や「ペン」が優位と思っている。使いやすさで選ぶのが一番だろう。
 石鯛釣りは一見するとのんびりと向こう合わせで釣っているように見えるが、上物を釣っている時のように小物のエサ取りが激しい。オモリが底についてから1〜3分でリールを巻く。巻いてみてエサがついているか否か分かるようになってくると一人前だ。
 潮表(しおおもて)を釣るのが石鯛釣りの秘訣である。潮が磯に当たる所が、甲殻類や小貝類を餌にする石鯛が寄りやすいからである。あとはポイントの見方が勝負を左右する。渡磯したら上げ潮、下げ潮の状況、潮が当たる場所を確認することも必要だが、予めその磯の状況(成り立ち)を確認するなり船頭に聞くなりして狙うべきポイントを定めるようにしなければならない。
 「なぜ石鯛釣りに拘るのか」かと聞かれると「努力すれば努力するほど結果に表れるから」と答えたいと思う。努力とはマキエの方法、潮の見方、釣行までの体力の管理、情報の収集であり、釣り場の確保である。加えて、どの様な釣りにも言えることだが、その日の天候、水温で魚が寄りつくタナが異なり、釣果に大きく影響がでる。心の準備とともに情報分析に掛かる気構えもお忘れ無く。
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