清水三徳氏(元城北小学校校長)の釣り人生を振り返ります
第22話 《春の海〜2》
 少し磯釣りから離れて、個人的な春の風物詩を一つ。防波堤からの「鱸(すずき)」釣りである。この魚は汽水域から磯、狭い水道周辺まで広く釣りの対象となるもので、若い方達には「シ−バス」としてルア−の対象とされる向きも多いようだ。
スズキには【スズキ】と【ヒラスズキ】が日本には生息しているとされていた、今では【ホシスズキ(タイリクスズキ)】なる外来種もその仲間になってきたらしいが、何れも豪快な釣味が魅力となっているようだ。
 ご存知のようにスズキはフィッシュイ−タ−(小魚を餌にする肉食魚)であるため、水温が上昇して小魚の動きが活発になると、それに連れて動き出してくる。春先の河口周辺の汽水域近くでは、ゴカイの産卵期もあって、ゴカイや小魚を追って水面近くを動き回るスズキを見かけることができる。3月に産卵して体力の落ちたスズキが体力回復のために荒食いをする時期でもあり、爆発的な大釣りになることも少なくない。
この時期に防波堤からのスズキ狙いは半夜釣りが良い。足下は防波堤であるから悪くないし、寒の様な強烈な冷え込みも少ない。釣り方も簡単で、ゴカイを房掛けにしてルア−釣りと同じよう波頭の陰(暗部)に落とし、潮の通しによって明るい処に流れる様にすればよいだけである。但し、このような釣り方が通用するのは、精々1〜2週間の好調時だけであることを付け加えておく。
1匹釣れれば肴には充分であるから、程々に楽しまれたなら早めに引き上げられることお薦めする。風邪をひきやすい季節の風に吹かれながらの釣りではある。ご用心を!
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