清水三徳氏(元城北小学校校長)の釣り人生を振り返ります
第27話 《初夏の海〜4》
餌木  前回に次いで再び寄り道してみよう。
初夏の防波堤にはエギングに興ずる若者が増えてきている。
障泥烏賊(アオリイカ)を餌木と呼ぶ疑似餌で狙うのである。
アオリイカは刺身や寿司ネタとしても喜ばれ、文献によると日本本土には3種類のものがいるらしいが、専門家でなければ区別は難しい様だ。但し、食味は何れも上質とのこと、安心して狙って頂きたい。イカ類は地域によっても呼び名が違うものでもあるから、判り難さに拍車が掛かるが、アオリイカはヤリイカやスルメイカの仲間である様だ。詳しくは専門書等でお調べいただきたい。
 さて、アオリイカは晩春から秋口(立秋)辺りまでの長い産卵期があり、産卵後孵化まで約1ヶ月、孵化から2ヶ月で10p程度まで大きくなる、成長の早い種である。磯から観ると大小様々なアオリイカが群れを成しているが、これは産卵期が長いのと、成長が早いことによる現象らしい。従って初夏の時季に狙うと大小様々なアオリイカにお目にかかれることになる。 アオリイカ
アオリイカの餌をとるのは、概ね朝と夕の「マヅメ」と呼ばれる時間帯が多い様だが、小さい内は昼間でも収餌活動が活発なようで、10p前後のものは磯でもよくヒットする。この「マヅメ」の時間帯は、小魚が多く活動する時間帯でもあり、初夏の日没直後に集魚灯を付けて小魚を寄せると、それを狙って結構大型のアオリイカが寄ってくる。今般アオリイカの釣り方は、様々な書籍が写真入りで出版されているので、此処では遠慮するが、防波堤には危険が多いので注意喚起は怠らないで頂きたい。加えて、ビギナ−から熟練者までそれなりに楽しめるアオリイカ釣りだが、イカ墨を防波堤の上でまき散らしたままにするのは困りものだ。せめて海水を汲んで流す等して、どなたでも気持ちよく楽しめる様にしていただきたい。
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