清水三徳氏(元城北小学校校長)の釣り人生を振り返ります
第46話 《年末は土鍋の季節か・・・》
 天気予報に「冬将軍」のイラストが登場すると、鍋料理の季節到来である。鍋料理となれば羽太(ハタ)や笠子(カサゴ)のような根魚や、鱈(タラ)や鮟鱇(アンコウ)に代表される将に鍋魚(?)が浮かぶ。ここでは一般的に磯・波頭釣りの対象にはならないお魚や甲殻類は遠慮していただいて、何とか自分で手配できるものについて紹介したい。
 地域差があるのはご勘弁頂くとして、上物であればグレ(クロ)を推奨したい。魚体の大小に関わりなく、刺身にすると磯臭さが気になって敬遠される方でも喜んで頂けるものである。カワハギとともに、水炊きには最適なものと思っている。カワハギは、河豚と見紛うばかりで有名であるが、細かいことは抜きにして、大小関係なく角を落として皮を剥ぎ、お腹を綺麗に水洗いしてそのまま土鍋にポイで十分である。
カワハギもグレも釣りづらいと申される方には、メバルが代替品となる。鱗を落とすのが多少面倒ではあるが、後はカワハギと同様である。ただ、小骨が残ってしまうので、〆に雑炊をされる場合は、鍋の底から綺麗に掬っておくことが肝要である。
 磯釣りの対象魚ではないが、この時期になると俎上に上がるのが『アイナメ』である。夏場の投げ釣りに引っ掛かるような小型ではなく、俗に「麦酒瓶」「ポン級」と呼ばれる大きさのものが産卵期を迎えたこの時期には狙える。
もともと淡白な白身の美味しい魚だが、身の保ちが悪く、刺身にするにはなかなか難しい。一般的には煮付けがよいとの相場になっている魚であるが、美味しい魚であることは請け合いである。この釣りの仕掛けは、必ず仕掛け集に載っているので割愛するが、ポイントがメバル、カサゴとほぼ同じなので、難しくはない釣りである。大型が釣れたら、是非「しゃぶしゃぶ」にされると良い。小骨が多い魚だから、鱧(ハモ)のように骨切りする必要があるが、プロのような細かさは不要で、素人でも十分賄える。この魚が持つ美味しさを十分堪能するにはこれが一番と思われる。是非おためしあれ。
 追記だが、「アイナメ」の出汁で「焼いたお餅」を入れたお雑煮をすると、これも納得の味になる。「焼いた餅」がキーポイントになるのだが、こちらもお試しあれ。
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