 |
第51話 《夏到来》 |
 |
 |
 |
今年も猛暑が予想されるが、震災の置き土産で暑さ対策に知恵を絞らなければいけないようだ。近年は、先人の知恵を忘れて、電力・機械力に頼りきっていたことのツケが一気に降りかかってきたようである。縁台に風鈴や簾、葦簀など、子供の頃の風景が思い起こされるが、やはり先人の知恵は棄て難いと痛感する昨今である。 |
 |
地震と魚の因果関係、と言えば大袈裟だが、「魚は地震予知ができるのか」という命題のエッセイを友人が紹介してくれたことがある。『施工』と言う建築専門誌にシリ−ズで掲載されていたものの1編だが、実に面白い視点と感心して読んだものだ。 |
|
うろ覚えで恐縮だが、東日本の太平洋岸では、16世紀からの記録では鰯【イワシ(マイワシ)】の豊漁期に大地震が多かったが、その谷間の不漁期には大地震がなかったそうだ。もともと、岩手県の三陸地方には、イワシがよく捕れるときには大地震がある、という言い伝えがあるそうだが、今年はどうだったのだろうか。被災された方々には申し上げる言葉も無いが、微力ながらも遠く安芸の地から気持ちを込めたチカラを送らせて頂いた。挫けないで頂きたい。 |
 |
夏到来といえばイサキ(鶏魚)釣りである。関東では船釣りの対象魚として名の知られた実に美味な魚であり、棚(魚の回遊層)さえ間違えなければ、数釣りも可能な人気魚である。一方で磯から狙うには簡単にはいかない魚でもある。棚が頻繁に変わるため、こまめな調整が必要なのである。船釣りには魚探という心強い味方があるが、磯では釣り師の経験から来る感が頼りである。更に、イサキは群れで回遊するため、群れを逃がさないように、こまめな撒き餌が必要。棚調整に、刺し餌附けに、餌撒いて、竿振って・・・・忙しい釣りでもある。夏バテ、熱中症にならない程度で釣果を・・・・頑張って頂きたい。 |
 |
夏バテ防止、熱中症防止に「イサキの水なます」をお薦め。ペットボトルに、昆布と味噌を溶かし込んだ出汁を入れて、しっかり凍らせてクーラーに。長ネギ、大葉(青じそ)、生姜を細かく刻み込んだ具を小さなタッパに入れて、これもクーラーに。必要に応じてお醤油もあると便利。一匹目のイサキをゲットしたら、躊躇無くしっかり締めて血抜きして古新聞に包んでクーラーに。そのうち食いが止まる(群れが磯から離れて釣れなくなる)から、それを潮時に包んだイサキを捌いてタタキを作る(小骨は気にしない)。 |
出汁のペットボトルが凍っているなら、ロープを掛けて海に3分ドボンであっさり解凍(解かしすぎないように気を付けて)。キャンプ用のドンブリに具とイサキのタタキを入れて混ぜ混ぜして出汁をぶっかけ、はい出来上がり。磯で頂くから最高の味、食感は保証。すっきり元気になって後半戦突入、お試しあれ。 |
 |
 |
|
 |